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症例3 頚肩上肢痛・肩こり

■頚肩上肢痛・肩こり
頚椎は、頭(スイカの重さ、4~6kgくらい)を支える一方、脊髄を保護しつつ、腕を上方へ引き上げるという多様な機能を担っています。 そのため、頚椎疾患の症状は、多岐にわたり首・肩・上肢・下肢の痛みや痺れなど様々な症状を訴えます。
主な二大頚椎疾患として、『頚椎症』は、頚椎(椎間板や頚椎関節や靭帯)の変化による症状をいいます。頚椎の変化は、主に加齢や外傷が原因で起こります。 症状は急激に現れることなく、頚部の痛みから始まり、徐々に上肢(痛みや脱力感・疲労感など)や下肢(歩行障害や便秘・排尿障害など)の症状が出てきます。 『頚肩腕症候群』は、頚~肩~腕にかけての痛み・凝り・痺れ・筋力低下・循環障害などの症状を総称して呼び、頚椎や周辺組織の老化や長時間の作業による筋肉疲労や姿勢の悪さ、 心因性ストレスなどが原因で起こります。いわゆる肩こりや首の凝りも含まれます。


■頚肩上肢痛・肩こりの治療
1.薬物療法
症状に応じて、非ステロイド性抗炎症薬・中枢性筋弛緩薬・鎮痛薬・精神安定剤・ビタミン薬などの内服薬、貼り薬や塗り薬、漢方薬などを処方します。
2.理学療法
頚部の圧痛点・経穴にレーザー照射やSSP(針治療と同様効果)、キセノン光による温熱療法、高周波(頚部の筋肉収縮)など。
3.徒手療法
頚部関節矯正のAKA療法、生体の流れを正常にする遠絡療法などの東洋医学も取り入れ、様々な痛みに対応できるよう、新しい治療により、治療技術の幅を広げています。
4.神経ブロック療法(当院における中心となる治療法)
☆トリガーポイント注射
頚部の圧痛点(痛みの引き金の場所=トリガーポンイト)が明確な場合は、この場所に局所麻酔薬を注射することにより、痛みの悪循環を改善します。
☆星状神経節ブロック
神経根圧迫障害による症状に対しては、頚部にある星状神経節(頭・顔・首・腕・前胸部を支配する自律神経のかたまり)に局所麻酔薬を注射することにより、痛みの悪循環を改善します。
☆頚胸部硬膜外ブロック
上記注射で効果があまりみられない場合、硬膜外ブロック(硬膜外腔という脊髄神経の外にある空間に局所麻酔薬を注入する)を行い、痛みの悪循環を改善します。

■「頚肩上肢痛・肩こり」の症例1
①来院までの経緯 (48歳 男性)
 1年前朝起きたら首に激痛が走り寝違えだから安静にしていれば改善すると思っていたが、日ごとに痛みが増し首を回すことが出来ないので、整形外科を受診し湿布と痛み止めを処方された。しかし、その後頻繁に寝違えを起こすようになり、今では腕や指先の痛みと痺れが常に感じられ、日常生活が辛くてしょうがないと来院された。
②治療経過
 初診時、日常生活に支障を来す程、痛みが強かったため、週1回約2ヶ月硬膜外ブロックを行って痛みが劇的に軽減されました。その後は寝違えたらすぐトリガーポイント注射を行うことで現在は痛みも痺れもなくなったと喜んで頂いています。
③考察
 寝違えや首の筋違いは、普段の姿勢の悪さや疲労の蓄積による血行不良や筋肉の硬直によって起こるので、寝違え直後は、血行を良くして筋肉を和らげるトリガーポイント注射が大きな効果を示します。しかし、慢性化してしまった頚椎症(椎間板や頚椎関節などの変化)による痛みや痺れには、痛みの悪循環を断つ硬膜外ブロック注射が非常に有効となります。

■「頚肩上肢痛・肩こり」の症例2
①来院までの経緯 (52歳 女性)
 長年、肩こりと頭痛に悩まされ来院されました。職場で神経を使うことが多く、夜勤もあり、人間関係のストレスも重なって、肩こり以外に頭痛も毎日起こる状態で、ひどい時は吐き気や嘔吐があるとのことでした。毎日鎮痛剤を服用し色々な病院や整体などを転々としたが、5年間症状が改善されず、ひどくなる一方なので、当院がペインクリニックと心療内科の両面からアプローチが可能と知り、来院されました。

②治療経過
 初診時、星状神経節ブロック注射と当院心療内科心理療法を週1ペースで約3ヶ月間行うことで、ひどい頭痛と吐き気が軽快されました。その後、肩こりがひどくなる前に週1~2回トリガーポイント注射を行うことにより、長年の肩こりからも解消されたと喜んで頂き、継続治療されてます。
③考察
 肩こりはストレートネックよりも実際は筋肉疲労による血行不良や関節の機能異常が筋肉収縮を引き起こすことにより生じると言われます。更に、ストレスなどで自律神経のバランスが崩れ血液循環が滞ることで肩こりが悪化するので、血流改善と自律神経のバランスを整える星状神経節ブロックは慢性化した肩こりや頭痛に非常に効果的です。心因的肩こりには当院心療内科で行う自律神経を調整する心理療法が有効です。

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