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通信vol.49(「痛みの上手な伝え方について」、「痛みの細分化について」)

痛みの上手な伝え方


医師とどのようにコミュニケーションをとるかが納得いく治療効果をあげるための医療が受けられるかどうかの分かれ目となります。病気を治すのは患者様と医師の共同作業であり、医師任せではなく主体的に前向きな姿勢で治療に取り組むと効果に差が出てきます。又、痛みは非常に主観的かつ複雑であるため、患者様と医師が痛みの共通認識(共有できる痛みの評価)を持つことは、的確な治療のために必要不可欠であり、そのために「痛みの上手な伝え方」は重要となります。下記にそのポイントをお話ししたいと思います。

通信vol.49(「痛みの上手な伝え方について」、「痛みの細分化について」)

痛みの上手な伝え方のポイント


1.痛みの発症時期・きっかけ
いつどうして痛みが発症したか、その後の痛みの経過を確認。
2. 痛みの部位・強さ(左記「痛みの細分化」参照)
…砲澆良位⇒痛み部位がどこか、複数あるか、広範囲か、痛みが違う部位へ移動したか等を確認する。
痛みの強さ⇒一番痛い時を「10」とすると今いくつか(初診時の評価が重要)。一番強い時や弱い時、平均の痛み等に分けて評価し、痛みの強さを数値や言葉で表します。
3. 痛みの性質
痛みの性質や状態(鈍い・鋭い・重い痛み・ピリピリ・ジンジン等)、筋肉痛・神経痛・関節痛・心因性痛か等を確認する。
4. 痛みのパターン
一日の大半を占める持続痛か、一過性の痛み(一時的・周期的・間欠的)か、一日の痛みのパターンを確認する。
5. 痛みの増悪因子と軽快因子
どうすると痛みが悪化し、軽減するか?痛みを強くする要因(動くと痛い・夜間になると痛い・不安になると痛い等)、痛みを緩和する要因(安静・保温・マッサージ等)を確認。
6. 日常生活への影響
痛みが日常生活に支障を来しているか?(痛くて眠れない・痛くて仕事や家事が出来ない・痛くて食欲がない等)。
7. 現在行っている治療の反応
現在行っている治療の効果を確認します。治療により減った痛みと残っている痛みがあるならば、必ず両方を伝えましょう。痛みがつらいと、減った痛みより残っている痛みだけを訴えてしまいがちですが、そうすると本当は現在の治療が効果があったのに効果がないと誤って伝わってしまいます。又、複数の痛みに対する治療では、それぞれの痛みについて効果を伝えないと的確な治療に辿り着くのに時間がかかってしまいます。この様に、できるだけ時間をかけず、効果のある適切な治療を受けるためにも、患者様と医師の間で痛みの共通認識が必要不可欠です。
8.薬の効果と副作用
指示通り服用できているか、効果はどうか「よく効いている・少し効いている・途中で効き目が切れる・効かない(痛みが変わらない)」)、副作用の嘔気・便秘・眠気等も確認する。

限られた診察時間を有効に使うために、医師に自分の痛みの状態をうまく伝えることが、とても大切です。


通信vol.49(「痛みの上手な伝え方について」、「痛みの細分化について」)

痛みの細分化


慢性疼痛の患者様が痛みを表現するときに、「全身が痛い」「あちこちが痛い」「ずーっと痛い」「朝から晩まで痛い」と言われることがあります。これは正直に痛みの感想を話されているだけで、嘘でも大げさな表現というわけでもありません。しかし痛みの治療を進めていくためには、実はここから意識を変えていかなければなりません。‘痛み’に立ち向かっていくには、自らまずその痛みがどういった質のものかを正しく把握し、どのような時にどう変化しているかを正しく知ることが大事です。痛みの治療効果を上げるも下げるもこれによって決まります。

通信vol.49(「痛みの上手な伝え方について」、「痛みの細分化について」)

痛みの細分化のポイント


A.痛みの部位の細分化
まずはどこが痛いのか部位を分けて意識しましょう。「全身が痛い」「あちこちが痛い」と言う患者様に詳しく話を聞いてみますと、特に痛いのはいくつか特定の部位ということがあったりします。部位別に意識を持つことが最初に必要です。
B.部位別の痛みを分析する
複数ある痛みが、必ずしも同じ種類の痛みとは限りません。それぞれの痛みがどのような時にどう変化しているか分析が必要です。例えば、胸の痛みは不安やイライラが強まった時に増強し、腰の痛みは立って歩いてると増強し、口の痛みは食べてる時は軽減する、等それぞれ痛みの原因要素は違うことがわかり効果の期待できる治療も異なります。
C.同じ部位の痛みでも原因は1つとは限らない
腰痛が重たい物を持った時に強まるが、不安やストレスが多い時にも強まるということがあります。同じ部位の痛みでも複数の原因要素が混じっていることは決して珍しくありません。なので一つの治療法だけが選択肢とは限りません。
D.細かな痛みの目盛りを意識する
時間や状況の変化で、痛みがどのように変化しているか把握することはとても大切です。最大の痛みを「10」痛みのない状態を「0」として細かく意識しましょう。この時に「10」「5」「0」とざっくり3個くらいしか目盛りが持てていなければ、正しく痛みの変化を把握することができません。なぜならば、6目盛り改善する治療法は変化を感じることができても、3目盛り改善する治療法では変化を意識できないからです。ざっくり目盛りでは、せっかく効果のある治療法も、それに気づかず治療の選択肢を狭めることになりえます。1目盛りの変化を大事に意識し、それを集めていきましょう。

A〜Dを自ら把握することで、どの治療がどの痛みにどれだけ効果があるか認識でき、痛みは自らコントロールしていけるものという気持ちへと繋がります。

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