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「痛み」も“病気”や“障害”と捉える〜リハビリの重要性〜」

1.「痛み」は”症状”というよりは”病気”や“障害”


慢性的な痛みに悩む人は非常に多いです。短期間の痛みである「急性痛」は“症状”であると考えてよいですが、長期間、痛み刺激に耐える「慢性痛」は神経細胞が変化してしまうことが最近わかってきました。その結果、痛みに過敏になり様々な治療が効きにくくなってしまいます。こうなると、「痛み」は”症状”というより”病気”や“障害”と捉えざるをえません。

2.慢性痛のメカニズム


「痛み」を一症状として一括りにし対症療法的にアプローチしているだけでは対処できず、それどころか、そのような不適切な対応を続けることで、慢性痛を次々に生み出している可能性が指摘され始めています。慢性痛に関する研究は急速に発展し、病態メカニズムの解明が進められてきました。最近では痛みを急性痛と慢性痛に分けるだけでなく、慢性痛をさらに次の二つに分けるようになってきています。
ゝ淦痛の長引いたもの、
⊃靴燭壁袖い箸靴討遼性痛
,倭反ヂ蚕に伴う警告信号としての急性痛が長引いて生じるものです。△倭反イ梁蚕後、正常時には認められなかった痛み神経の変化が起こり、その結果様々な刺激(接触・温度・精神など)にも過敏に反応するようになり,それらを「痛み」として感じてしまいます。また、慢性痛に対して痛みの一般的常識にとらわれ過ぎている場合もあります。例えば、腰痛の腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などです。ヘルニアや狭窄が必ずしも腰痛や下肢痛を引き起こす原因とはいえないとする報告があることから「⊃靴燭壁袖い箸靴討遼性痛の腰痛」の可能性もあると考えられます。

3.慢性痛に対するリハビリ(理学療法)の重要性


慢性痛には、薬物療法や外科的治療などの従来の受動的な治療があまり有効でないことも明らかにされています。慢性痛には理学療法や脳のコントロールを含めた認知行動療法など患者が“自ら行う” 治療の有効性が数多く報告され世界的に注目を集めています。慢性痛には麻酔・心療内科医、理学療法士・看護師など痛みの専門職チームによる多角的アプローチの必要性が叫ばれており、当院では麻酔・リハビリテーション・心療内科を併設しているので可能です。叉、慢性痛の部位に痛みが長引いたことで、逆に運動量減少という不活動によって、痛覚過敏が生じることもわかってきました。そのため、リハビリで運動器の筋強化を目標に動かす部位・範囲を少しずつ広げていくことが重要です。具体的には、 ̄親偉屠 ↓動作の指導、ストレッチを理学療法士の指導のもと行います。理学療法への満足度や減薬・身体機能改善率は約8割と非常に高く、支援に頼らない社会的自立や復職などQOL(生活の質)の改善率は約7割というデータもあり、理学療法で慢性痛を軽減させ患者様のQOLが改善することがわかります。不必要な痛みを放置せず痛み治療はできるだけ早期から開始することが鉄則で、歪んだ痛み、慢性痛を作り出さないためには痛みを合併症と捉えるのでなく一つの病気として専門的に治療を行うことが重要です。

認知のこまったちゃん「ベッキー」

1.認知の歪みと“こまったちゃん”の「ベッキー」


‘認知’とはその人自身の「物事の捉え方や考え方」を意味します。いつも自分を精神的に追い詰めてしまったり、些細なことで落ち込んだり、すぐに悪い方向に考えてしんどくなったりしてしまう「考え方のパターン」に対し心理学用語で「認知の歪み(ゆがみ)」という言葉があります。
ここでは、「認知の歪み」を‘認知のこまったちゃん’と表現しようと思います。“こまったちゃん”にはいろんな子がいますが、今回は「〜すべき思考」の「ベッキー」を紹介します。「ベッキー」がいると、「〜したい」ではなく、「〜すべき」だという考えがすぐに頭に浮かびます。

2.「ベッキー」の種類


自分に対してだけ「ベッキー」が強い人もいれば、周囲に対しても「ベッキー」が強い人もいます。
「誰に対しても誠実でなければならない」、「将来のためにもっと貯金をしなければいけない」、「健康のためにもっと体を鍛えるべきだ」というように、いろんなところに「ベッキー」は隠れています。「ベッキー」がみんな悪い子という訳ではありません。ただ、その程度が強すぎると、自分の考えや行動を制限してしまったり、頑張りすぎて体調を崩したり、叶えられない時に焦りが強まったりします。また周囲に対して「ベッキー」が強いとそれができない人に対して強い怒りや苛立ちを感じます。身近な例では「明日のために早く布団に入ってしっかり寝るべきだ」と考えて実行することで、かえって不眠になることがあります。

3.「ベッキー」の対処法


では、どう対処すればいいのでしょうか?まずは、自分にも「ベッキー」がいることを知り、その事実を認めてあげること、「ベッキー」が強まっている時にそれに気づけることが第一歩です。もし、気づくことができれば、その「ベッキー」は‘自分にとってプラスになっていい?’‘もっと楽になれる別の考え方はない?’と再検討できる余地が出てきます。「ベッキー」の‘〜すべき’を‘〜にこしたことはない’に置き換えてみましょう!その時も「100%置き換えて完璧に成功しなければならない!」と考えてはいけません!これも「ベッキー」です!
10回「ベッキー」が強まったとして、3回うまくいけば上出来です。それでも十分しんどくなる程度や頻度を改善します。

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